余ったランナーで自作パーツを無限に量産する裏技
はじめに
プラフィ戦略工廠(DFS HOBBY LAB)へようこそ!
ガンプラを組んだ後、必ず大量に余ってしまう「ランナー(枠組み)」。皆さんはどうしていますか?そのままゴミ箱へ直行……という方がほとんどだと思います。
しかし、このランナー、実は「最高の工作素材」として再利用できるのをご存知でしょうか。
今回は、当工廠の工作研究レポートとして、モデラー界隈で密かなブームとなっている「ヘアアイロンを使ってランナーを溶かし、自作パーツ(プラ板や武器)を成型する錬金術」を徹底解説します。
パテや市販のプラ板を買わなくても、オリジナルのディテールアップパーツを量産できる驚きのテクニック。その仕組みと手順、そして失敗しないためのコツをまとめました。
【基礎知識】なぜ「ヘアアイロン」なのか?
昔からランナーを溶かして再利用する試み(溶剤で溶かす、フライパンで炙る、オーブンで焼くなど)はありましたが、どれも温度管理が難しく、焦げたり気泡が入ったりと結果が安定しませんでした。
そこで白羽の矢が立ったのが「ヘアアイロン(ストレート用)」です。
ガンプラの素材であるスチロール樹脂(PS)は100℃程度で溶け始めますが、発火点は約280℃以上。ヘアアイロンの温度設定(180℃前後)であれば、燃えたり焦げたりすることなく、プラスチックを粘土のように安全に流動化させることができるのです。
さらに、上下から平らに「プレス」できる構造が、プラ板作りに信じられないほど適しています。
用意するもの(錬金術の素材)
この工作に必要なツールは、どこの家庭にもある(あるいは100円ショップで揃う)ものばかりです。
| 用意するアイテム | 用途・詳細 |
| 余ったランナー | ガンプラの切れ端など。タグ部分も使えます。 |
| ヘアアイロン | ストレート用(設定温度180℃程度が出せるもの)。※工作専用に安いものを1つ用意するのがオススメです。 |
| 厚紙 | 0.5mm厚程度のお菓子の空き箱などでOK。 |
| マスキングテープ | 型の表面を覆い、溶けたプラがくっつくのを防ぎます。 |
| デザインナイフ | 型を切り抜くために使用(曲線刃があると便利)。 |
| 軍手やタオル | プレス時の火傷防止用。必須です! |
実践!ランナー再成型の手順
それでは、ただのプラ板を作るだけでなく、「厚紙で作った型」を使って任意の形状(シールドや剣など)を成型するステップを解説します。
STEP 1:厚紙で「型」を作る
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サイズ計測: ヘアアイロンの鉄板(プレート)の幅に合わせて、厚紙をカットします。
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デザインを描く: 厚紙に作りたいパーツの形を描きます。※溶けたプラが押し広がるため、外周には十分な「余白枠」を残しておくのが型の変形を防ぐコツです。
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切り抜き: デザインナイフで型を綺麗にくり抜きます。厚みが欲しい場合は、同じ型を2枚重ねて接着します(0.5mmの厚紙を2枚重ねれば約1mm厚のパーツができます)。
STEP 2:型をマスキングテープで保護する
ここが最重要ポイントです!
切り抜いた型の内側(断面)と表面を、マスキングテープで隙間なく覆い隠します。厚紙が露出していると、そこに溶けたプラスチックが癒着して型がボロボロになってしまいます。
※「紙の型なんてアイロンで燃えないの?」と心配になりますが、新聞紙の発火点でも約291℃です。180℃のヘアアイロンで数分プレスする程度では燃えないのでご安心を。
STEP 3:ランナーを並べてプレス!
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型の枠内に、細かく切ったランナーを並べます。溶けると広がるので、ギチギチに敷き詰める必要はありません。
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ヘアアイロンのスイッチを入れ、型ごとランナーを挟み込みます。
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数分待つと熱でランナーが柔らかくなってくるので、軍手やタオルで手を保護しながら、アイロンをギュッと握り込んでプレスします!
STEP 4:冷却と取り出し
ここも焦りは禁物です。電源を切り、アイロンを閉じた状態のまま固定して、完全に冷めるまで(約5〜10分)待ちます。
熱いうちに開けると、プラが糸を引いたり、表面が歪んだりして失敗の原因になります。
完全に冷えたら、型からパーツを取り出します。
もし「角までプラスチックが回っていなかった(成形不良)」という場合は、空いた隙間に少しだけランナーの切れ端を足して、再度ヘアアイロンでプレスすれば綺麗に修正可能です!
【応用編】アイデア次第で無限の可能性
この「ランナー錬金術」、ただ単色でパーツを作るだけではありません。
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マーブルカラー成型: 違う色のランナー(赤と白など)を細かく砕いて混ぜてからプレスすると、美しい大理石調のマーブルパーツが作れます。
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クリアパーツの再利用: ビームサーベルなどの軟質クリアパーツ(SB樹脂)も同様に平らにプレスできるため、オリジナルのクリアバイザーやセンサーの素材として再利用可能です。
ランナーの成型色をそのまま活かせるので、無塗装派のモデラーにとっても最高のディテールアップ素材になります。
まとめ:エコで楽しい自作パーツライフを!
「ヘアアイロンと厚紙」という身近なツールで、ゴミになるはずだったランナーが自分だけのオリジナルパーツに生まれ変わる。まさにプラモデルならではの知育的で楽しい工作テクニックです。
市販のディテールアップパーツを買うのも良いですが、自分の手で素材から錬成する喜びは格別です。火傷と換気(溶ける際に微量のガスが出るため)にだけは十分注意して、皆さんの戦略工廠でもぜひ「ランナー錬金術」を試してみてください!
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